伊藤骨形態計測研究所


研究内容


 骨形態計測 _ イヌ


吸収性人工骨


  ビーグル犬大腿骨遠位部人工骨 CPC(リン酸カルシウムセメント)埋入モデル

    ■提供:大阪医科大学整形外科
            傍島 聡先生
            四方田 光弘先生


ビーグル犬に人工骨を埋入したモデルの組織像について説明します。


◆犬の標識剤投与間隔
この犬の標識剤投与間隔からお話しします。
今日が屠殺日としますと8日前に一回目の標識としてカルセインを投与します。
翌日から6日間あけて、二回目の標識としてテトラサイクリンを投与し、一日あけて骨を採取します。
標識は同じ時刻に投与します。
これを標識スケジュール01-06-01-01と言います。



◆レントゲン像
レントゲン像です。
埋入直後→3か月後→6か月後です。
CPCの輪郭が徐々になくなり、吸収されている様子がわかります。
大腿骨遠位部を切断して非脱灰研磨標本を作製しました。



◆ビーグル犬 人工骨CPC
これは、6か月後です。黒い固まりがCPCです。その周囲は白い網目状の海綿骨が見られます。
濃い紫色に濃染しているのでは関節軟骨です。
CPCは一見、ただの黒い固まりのようにみえますが、実は新しく骨がたくさんできています。



◆新生した骨単位 [1]
ここから実際の組織について説明します。
まず自然光です。
中央に穴の開いた白くて丸い固まりが見えます。これが新しくできた骨です。ここには骨細胞が見られます。
周囲の黒い固まりは人工骨CPCです。
次にこの蛍光像です。
骨の内側から、二回目に投与した黄色のテトラサイクリン、その外側に一回目に投与したカルセインが見えます。
これを二重標識と言います。
次にこの偏光像です。
穴を同心円状にした層板が見えます。これより骨単位であることがわかります。



◆新生した骨単位 [2]
進化していく順に説明していきます。
これは、黒い固まりの一部を拡大したものです。
大部分は黒い固まりですが、一部の隙間に新生骨が見えます。
これを蛍光下で観察すると新生骨の淵に沿って標識が見えます。
偏光下で観察すると、新生骨に層板が見えます。



◆吸収性人工骨スライド



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